修理屋のひとりごと

2021年8月 2日 (月)

修理屋のひとりごとVol3

数ヶ月に一度の更新ペースになりますが、店先の掲載看板を更新しましたので、お知らせします。

今回は、夏場には特に集中します、ヘアークリップの修理を題材にしました。

ご一読頂けましたら、幸いです。

 

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2021年4月 4日 (日)

修理屋のひとりごと Vol 2

 

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修理屋のひとりごと Vol2

ちぎれたイヤリング

時として、ちぎれたイヤリングを

ちぎれない様にしてくれという要望がある。

修理屋としては言いたくない言葉だが、

ちぎれるほど繊細な作りだから、その揺れが起きるし、

揺れるからキラッと光るシーンが多いというのも事実ということがある。

つまりは、ちぎれるからその良さがあるのであって、

丈夫にしたら、その可憐さ、儚さは表現出来ず、

全く別物になってしまうということがある。

ちぎれるから、いいんですよ。と

自信を持って話せる修理屋になりたいと思っている。

 

 

修理屋のひとりごと Vol1

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修理屋のひとりごとVOL.1

 

今どき流行らない指輪

 

ある時ご婦人がやって来て、『こちらは直せるでしょうか?』と訪ねられた。

今どき流行らないその指輪は、宝石も抜け落ちて指輪もヒビが入り歪んでいる。

貴金属店では、新しいものを購入した方がお得ですよと、お決まりの言葉で受け付けてくれなかったという。

 

『主人が買ってくれたものなんです。』と呟き、私の返事を不安そうに見つめる。

 

当時、若い青年のご主人には、これを買うのにさぞ無理をしたであろう加工が施されている。

無理をしてこの少女にプレゼントしたのだろう。

 

『わかりました。やってみます。』

と申し上げると、安堵した表情で深々とおじぎをして帰っていった。

 

私はご婦人の背景を想像しながら、指輪を直しながら気が付いた。

 

私が修理しているのは指輪ではなく、彼女の思い出を磨いているのだと。

 

丁寧に直して完成品をお渡しすると、これ以上ない満面の笑みでありがとうございましたと喜んで帰っていかれた。

 

そのご婦人のうしろ姿に、こちらこそあなたのその思い出の修理に関わらせて頂き、ありがとうございましたと頭を下げた。

 

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